「いつも振り返ってばかりいる人には光は見えない。過去のかげのなかでしか生きられなくなるだろう。強さを蓄えた人たちは発言すべきだ。信念があれば世界を変えることができるのだ」
『新版 アイリーン・グレイ ――建築家・デザイナー』ピーター・アダム著(アイリーン・グレイさんのことばより)
先日、『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』という映画を観ました。
この作品は家具・インテリアデザイナー兼、建築家のアイルランド出身のアイリーン・グレイさんと
近代建築の三大巨匠の一人といわれるル・コルビュジエさんの物語です。
映画を観た後、なぜかアイリーン・グレイさんに強く惹かれるものがありました。
それはシングルライフを生きる現代の私たちのロールモデルともいえる女性
だからなのだということに気づきました。でも、残念なことに
ご自身のプライベートの書類・手紙や写真などを亡くなる前にほとんど燃やしてしまっていて
家具などの作品以外は、ご本人に関わることは謎に包まれています。
ですが、『アイリーン・グレイ 孤高のデザイナー』というドキュメンタリーや
『アイリーン・グレイ――建築家・デザイナー』といった評伝などといった数少ない資料から
アイリーン・グレイさんの生き方や考え方について少しだけ知ることができました。
アイリーン・グリーンさんは1878年に生まれ、1976年に98歳で亡くなっています。
家具やインテリアのデザインを中心にデザイナーとして活躍されていましたが
46歳の時に建築家という新たな道にも進まれています。
そして生涯現役で、家具&インテリアのデザイナーや建築家として活躍されていました。
ちなみに、51歳で1軒目を、80歳で2軒目の住宅を完成させています。
さらっと書いていますが・・・146年前に生まれた女性ですよ。
当時は、今よりも女性一人で生きていくにはもっともっと大変な時代だったと思いますが
では、どうやってアイリーン・グレイさんがそんな時代の中、様々な困難を乗り越えて
シングルライフを全うすることができたのでしょうか?
それは、おそらく冒頭に引用した
「いつも振り返ってばかりいる人には光は見えない」
「過去のかげのなかでしか生きられなくなるだろう」
「強さを蓄えた人たちは発言すべきだ」
「信念があれば世界を変えることができるのだ」
といった彼女が言ったことばが示すように
自分の信念や、大切にしたいものがブレずに「自分」を貫いたからなのでしょう。
アイリーン・グレイさんから学べること
時代は違えども、今を生きる私たちも自分の生き方を貫きさえすれば
自分がやりたいことをやっていき、人に何を言われようと
自分にとって絶対に譲れないことに気づいて、その道を進み続ければ
たとえ辛いことがあっても、悔いのない人生を過ごせるのではないでしょうか。
そして今の自分が、望んだ環境の中にいるわけではなくても
その環境の中でどう生きていくかは自分が決められるのだということを忘れなければいいのです。
シングルライフといっても、人それぞれです。
自分で選んだわけではなく、突然シングルになった方もいれば
気がつけばずっとシングルだった方や、あえてシングルを選んだ方など
一人一人、シングルになった理由は違います。
これからシングルライフを続けるにしても、パートナーと出会って生活を共にするにしても
まずは、これからは自分の声と他人の声を聞き分ける力をつけていくこと。
そして、もし自分の声ではなく、他人の声に従っていたならば
勇気を出してNOと言うこと。
その上で、自分の行きたい道に進んでみてはいかがでしょうか。
アイリーン・グレイさんのように、98歳までとは言わないまでも
最後の最後まで、この世の人生を全うするまで
あなたの身体も、心も、魂も、錆びることなく磨き続け、しなやかに生きていきましょう!