“Less is More” (少ないほど、豊かである)
建築家 ミース・ファン・デル・ローエ (1886 – 1969)
シンプルに生きることの意味
シングルライフを満喫しているあなたの部屋は、今どんな状態でしょうか。
好きなインテリアに囲まれて、快適な部屋だよという方もいらっしゃるでしょうし
忙しくて、書類や公共料金の明細書・レシートがテーブルの上に山積みになってる
という方もいらっしゃるでしょう。
部屋の状態は目に見えるのでわかりやすいですが
私たちの心の中や頭の中も、軽やかに動くには部屋と同じように「スペース」が必要です。
なぜなら、部屋の中と同じように、心や頭の中のスペースも埋まってしまってしまうと
思考も行動も、動きが悪くなったり、ストップしてしまうからなんです。
「なんとなく」生きていると、いつの間にか心の中も、頭の中も、澱んでいくんですね。
シンプルに生きることをミニマリズムと呼ぶ方もいますが
シンプルに生きることとは、単にモノを減らすことではなく
「意識的に」自分にとって価値あるものを選び、それ以外は let go of 手放していく生き方とも言えます。
ワタクシも、「素材感」だったり、「デザイン性」を大切にした部屋で過ごしたかったはずなのに
つい安かったから、お得だったから、いただいたからと
自分の価値観とは異なるものが部屋をしめていたり
人付き合いも、一緒に楽しいひと時を過ごしたり
喜んでその人のためになることをすることがしたかったはずなのに
せっかく誘ってくれたから、申し訳ないからと
自分の価値観とは異なる集まりに参加するしたりすることも度々ありました。
でも、そういったことを続けているとあれ?自分は何をしているのだろう?
と違和感を感じたり、常に何かに振り回されている気がしながら毎日を過ごすことになるんですね。
でも、自分にとって価値があるものを「意識的に」選ぶことは
「自分がコントロールしているものがある」ということを日々感じて
生きることでもあるので、とても大切なことだったのです。なぜなら
「自分はこのまま前に進んでいけばいいのだ」
「いつも、ここからスタートすればいい」と
自分が立ち返る場所、拠り所を自分の手でつくることでもあるのですから。
『一汁一菜でよいという提案』を読んで
今回、シンプルに生きることの記事を書くにあたり
料理研究家の土井善晴さんの著書『一汁一菜でよいという提案』にとてもインスパイアされました。
暮らしにおいて大切なことは、自分自身の心の置き場、心地よい場所に帰ってくる生活のリズムを作ることだと思います。その柱となるのが食事です。一日、一日、必ず自分がコントロールしているところへ帰ってくることです
『一汁一菜でよいという提案』(土井善晴)
一汁一菜とは、ただの「和食献立のすすめ」ではありません。一汁一菜という「システム」であり「思想」であり、「美学」であり、日本人としての「生き方」だと思います。
『一汁一菜でよいという提案』(土井善晴)
いつものルーティン(味噌汁をいただく)が、自分の心と身体のよりどころを作る。
一生懸命働いた一日の終わりに、一汁一菜でまた自分を整えていく。
土井先生のおっしゃるように、一汁一菜は「思想」であり、「生き方」なのだと思います。
私たちの人生は日々の積み重ねで成り立っています。
だからこそ、シンプルに生きること
つまり自分にとって価値あるものを選んで生きていくことが大切になります。
それが、自分の人生の軸となって人生を大きく変えていくのですから。
今日からあなたも、「あなたにとって」価値のあるものを選んでシンプルに生きていきませんか?
シンプルライフの先に、あなたが見たことのない世界が待っていますよ。